秋彼岸のご案内

「美しいものを美しいと言える心」

 猛暑のお盆でございましたが、まごころ霊堂にお参り頂きまして、ありがとうございました。
 特にお盆の時期は家族連れで参拝される方が多く、小さいお子様も元気にお参りにいらっしゃって、ありがたい事です。
 ふと見かけた光景ですが、4~5歳の女の子が、車に乗る前に花壇の前で足を止め、お花に顔を近づけました。甘い香りに引かれたのでしょうか。そして次に、ビックリとした様子で後方に後ずさりしました。恐らく、お花の甘い香りに群がる蟻に驚いたのでしょう。そんな自分が面白かったのか、飛び跳ねて、手を叩きながら笑顔で車に乗り込みました。
 車に乗るまでの僅かの間で、好奇心旺盛な子供は、グラジオラスの甘い香り、お花に集まる蟻の生態等、たくさんの事を学んだと思います。
 誰でも一人一台携帯機器を持つ現代社会では、お花が見たい時、目の前に花がなくても、画面の中で地球の裏側に咲いている花まで見ることが出来ます。しかし、それは目から入ってくる情報のみで、香りや、感触等、五感で感じる何かがあると思います。

 詠花吟月「花を詠じ 月に吟ず」

 朝起きて咲いた花を見て、歌を詠じ、日が落ちて夜になれば、空に浮かんだお月様を見て、詩を吟ずる。美しいものを、素直を美しいと感動出来る生き方を示しており、自然のままに生きる生き方を示した禅語です。
 携帯機器は、現代社会を生きる上で欠かす事が出来ない道具ですが、たまには画面から目を離して、空を見上げ、腕を伸ばして、大きく深呼吸してみませんか。
 見上げた空の青さと白い雲。下を見ると一輪の花があり。風の音に自然の息吹を感じる。
 目の前に現れる何気ない日常に、感謝し、感動出来る自分でありたいものですね。美しいものを素直に美しいと言える、それが美しい心であり、美しい生き方「詠花吟月」です。

 秋彼岸の合同大法要・法話会
  9月23日(火・祝) 午前の部 11時半開式 午後の部 13時開式
  ご都合の良い方に、ご家族、お友達お誘い合わせの上お参りください。
  参拝された方には参拝記念品があります。

 画像は夏のまごころ庭園です。カサブランカ、グラジオラスが綺麗に咲いていました。

令和七年長月